『湯灌(ゆかん) の儀』とは、 現世の汚れや苦しみのすべてを洗い清めるために、ご遺体を沐浴させることです。 この儀式には、赤ちゃんが生まれたとき産湯に浸かるのと同じように、新たに生まれ変わるための「産湯」の意味も込められています。 大切な方を失った家族が集い、哀惜の念をこめて故人の体を清めて、冥界への旅装束をととのえる。この湯灌の儀式は、生前の罪障を清め、生に対する煩悩を洗い流すといわれる、極めて大切な精神性の高いしきたりです。 また、生まれ変わりのための産湯の意味もあると言われております。ご葬儀に入る前のしめやかな序章として、故人にゆかりの深い人たちが、死の重みと生命の大切さをかみしめ、分かち合うひと時が、あわただしい現実の時間の流れを押しとどめ、故人との別れを一層思い出深いものにします。 私達にとってお風呂とは肉体的、精神的な疲れを癒す事ができる生活習慣として永く愛されてきました。 長く入院生活を余儀なくされた故人様は、闘病のお疲れがお顔に出ます。故人様にとっても、一生の仕事を終えたわけですから、来世へと旅立つ身支度として、お清めをしてさしあげるのが、お別れの前に際して、最も故人様本人が喜ばれる儀式ではないでしょうか。

湯灌後、筋肉の硬直が解け、表情豊かになり、まるで笑顔で休まれているお顔になります。 お時間は頂きますが、親族の方々より、湯灌してよかったと、お喜びの声を賜ります。
湯灌の手順を掲載(YouTubeにリンク)